【令和7年度】登録販売者 首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)午後問5の過去問解説|思考ルート
【問題】
問65 眠気を促す薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 15歳未満の小児では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などの副作用が起きやすいため、抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬の使用は避ける。 b チョウトウコウは、クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子を基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。 c 酸棗仁湯は、体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う高血圧の随伴症状、神経症、更年期神経症、小児夜なき、便秘に適すとされる。 d 妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、抗ヒスタミン成分を主薬とする睡眠改善薬の適用対象ではない。
1(a:正、b:正、c:正、d:正) 2(a:正、b:誤、c:正、d:正) 3(a:正、b:正、c:誤、d:誤) 4(a:正、b:誤、c:誤、d:正) 5(a:誤、b:誤、c:正、d:誤)
※公式発表の正解番号「4(a:正、b:誤、c:誤、d:正)」に基づき、リラックス生薬・漢方の部屋のシャッフルを徹底解説します。
① この問題の一言まとめ
この問題は、睡眠改善薬(ドリエルなど)を子供に売ってはダメな科学的な理由と、眠れないときの不眠漢方(酸棗仁湯など)のすり替えひっかけを問う難問です。
② 各選択肢のマルバツ解説
- a [○]:これは他ブロックの午後問53でも解説した通りの大正解記述です。子供にドリエルを飲ませると、大人のように眠くなるのではなく、脳のブレーキが壊れて逆に【中枢が興奮してキーキー暴れ出す(神経過敏・中枢興奮)】という危険な大逆転副作用が起きるため、15歳未満は絶対使用禁止です。
- b [×]:生薬の植物名(基原)のすり替え大ひっかけです。「チョウトウコウ(釣藤鉤)」は、漢字に『藤(フジ)』という文字が入っている通り、アカネ科のカギ型のトゲを持つ【カギカズラ(つる)】が正解です。文章に書いてあるクロウメモドキ科のナツメの種子の正体は、別の不眠超有名生薬である【サンソウニン(酸棗仁)】の本当の説明です。
- c [×]:漢方の体力基準(証)のすり替えです。「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」は、心と体がヘトヘトに疲れきっているのに、脳が興奮してなぜか目が冴えて眠れない、という【体力が『虚弱(中等度以下)』な人】に使う、優しく心を潤すための不眠漢方です。体力中等度以上と言い切るこの解説の正体は、別のイライラ漢方である【柴胡加竜骨牡蛎湯】の部屋の説明です。
- d [○]:これは実務での妊婦さんへの最も大切な服薬指導の記述です。妊婦さんの不眠は体の急激な変化(つわり等)が原因なので、市販のドリエルなどの睡眠改善薬の出る幕はありません(適用対象外です)。病院へ行かせましょう。
※正答:4
③ 初心者のための「合格ひっかけパターン」
- チョウトウコウ(釣藤鉤)は、名前に『藤』があるからカギカズラ(つる)の植物!
- 対策:漢字を見れば、サンソウニン(棗=ナツメ)とのすり替え(b)を見抜くのは一発です。酸棗仁湯はヘトヘト虚弱(c:バツ)の人用。これらを消せば、4(a:正、b:誤、c:誤、d:正)に辿り着けます。