【令和7年度】登録販売者 北海道・東北 問19の過去問解説|思考ルート
【問題】
問19 ヒト免疫不全ウイルス (HIV) 訴訟に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a HIV訴訟を契機として、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための緊急輸入制度の創設等を内容とする改正薬事法が成立した。 b HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、血友病患者がHIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。 c 国及び医療機関を被告として、大阪地裁、東京地裁で提訴された。 d HIV訴訟を契機に、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られた。
1(a、c) 2(b、d) 3(b、c) 4(a、d)
① この問題の一言まとめ
この問題は、ウイルスの入った血液製剤のせいで、多くの患者さんがエイズ(HIV)に感染してしまった「HIV薬害」の歴史と、その後に作られた安全ルールの変化について問う問題です。
② 各選択肢のマルバツ解説
- a [×]:ここが一番の引っ掛けです!HIV訴訟を契機として成立した改正薬事法(1996年)の主な内容は、「医薬品の安全対策の強化」や「製薬企業への副作用報告の義務付け」などです。選択肢にある「緊急輸入制度の創設」は、それよりもずっと昔の薬事法の歴史(サリドマイドやスモン等の時代)の教訓から作られたものなので、HIV訴訟の契機ではありません。
- b [○]:これは正しい記述です。血が止まりにくくなる病気(血友病)の治療のために、血液を固める成分(血液凝固因子製剤)の薬を打っていた患者さんたちが、不運にもHIVに感染してしまったことに対する裁判です。
- c [×]:被告(訴えられた相手)が違います。HIV訴訟で訴えられたのは、「国」と、危険な薬を売っていた「製薬企業(製薬会社)」です。病院などの「医療機関」は被告になっていません。
- d [○]:これは正しい記述です。人の血液(原料血漿)から作る薬の危険性が浮き彫りになったため、これ以降、献血をしてくれる人のチェック(献血時の問診の充実)や、集まった血液の厳しいウイルス検査が徹底されることになりました。
※正答:2(bとdが正しい)
③ 初心者のための「合格ひっかけパターン」
- 被告(訴えられた相手)のすり替え
- ひっかけ例:今回の選択肢cのパターンです。「国と製薬会社」が正しいですが、そこに「医療機関」を混ぜて引っ掛けてきます。
- 対策:薬害訴訟は、基本的に「許可を出した国」と「薬を作った製薬会社」の2トップを訴えるものだと覚えておきましょう。
- 契機となった安全対策の入れ替え
- ひっかけ例:今回の選択肢aのパターンです。
- 対策:HIV=「血」の薬害なので、これ以降【献血の問診】や【血液検査】といった「血の安全対策(血液製剤の安全確保)」がめちゃくちゃ厳しくなった、と結びつけて記憶してください。